お知らせ


フランスへ一粒牡蛎養殖の視察へ行ってまいりました

 昨年11月27日〜12月8日のおよそ2週間に渡りフランスに赴き、牡蠣養殖の現状を視察して参りました。 【写真一覧はこちら】

 11月28日から12月2日の5日間、 アルカッションで行われた、世界各国から牡蠣生産者と水産研究者が集い、生産者主導による初めての第一回世界カキ会議 「Oyster World Congress 2012」に参加し、世界各国の現在の牡蠣養殖事情に触れる貴重な機会を得ました。


その後、アルカッションでの牡蠣祭りにも参加、牡蠣養殖場を牡蠣ツアーにて視察

 そしてマレンヌ・オレロン、および南ブルターニュ地方の牡蠣養殖場を現地の生産者の皆さんの案内により視察、また、各地の水産研究所を巡り、研究者の方々からその土地々々の牡蠣養殖事情を伺ってきました。

 フランスと日本では環境の違い、また食文化の違いからその養殖方法の発展も異なっています。フランスの養殖方式をそのまますべて日本で模倣することは、環境の違いから難しいと言った見解を研究者の先生はされております。

 しかし、ここ松島湾・浦戸の漁場においての一粒牡蠣生産に、こちらの環境に合った形でフランス方式の一部を参考として取り入れることが出来るかもしれません。

 以前、フランスで病気により牡蠣が大きな被害を受け、日本から輸出された種牡蠣が、フランスの牡蠣生産を救う一助となりました。その時はじめて運ばれたのが、ここ浦戸産の種牡蠣だったのです。そしてそれに続き、他産地の宮城種が輸出されることとなりました。
 このことにより現地では、フランスの牡蠣養殖の救済に貢献した日本の功労者として、この度の現地視察団の団長を努めて下さり、また当時、浦戸、宮城からフランスへの種牡蛎輸出に直接携わられた方、そして私たちを引率して下さった日本の水産研究者の先生方と共に私たちもメダルを授与し、また、新聞やテレビにて報道されるなど、特別な歓迎・待遇をして下さいました。


 島のお父さん、お母さん方が小さい頃、皆で種牡蛎を箱詰めし、手を振ってフランスへ送ったと伺っております。そして今回その種牡蛎がはじめて放流された場所へ案内して頂き、「とても感慨深いものがある」と、当時、その最初の種牡蛎を送った当事者である今回の私たち視察団の団長は現地の取材にそう答えました。

 

(うらと海の子再生プロジェクト 小泉 善雅)